ネガの劣化始る2009/10/15 12:55

「銀化」が始ったネガ(T_T)
 掲載した写真はモノクロポジではなく1976年に撮影・現像処理されたモノクロネガです。

 モノクロネガは黒いものの前に置いて反射光で見ると反転して見える事があります(ダゲレオタイプの写真がこう云う感じ。参考http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-eed5.html)(http://www.monokowashi.com/senjin/photo_tech/as_you_see3.html)が、これはそれが酷くなったもので、私達は「銀化」と呼んでいます。が、この言葉、ネット上にも無いんですよね。実際のところなんと呼ぶのでしょう?

 新鮮なモノクロネガでもこういう現象は起こりますが、劣化したものはそれが酷くなります。
 またこれはプリントでも起きます。古い写真がネガっぽくなっちゃっているなんて事がありますね。

 まぁとにかくショックでした。おまけにルーペで見ると、みみず腫れのような傷…たぶんカビ…。ダブルパンチです。思い切り凹んでいます。

 さて、これらのネガはもはや救済のしようがありません。ですから、今のうちにスキャナにかけてとりあえず映像を得ておく事と、やはり今のうちにプリントしてアーカイバル処理し保存しておく事しか方法はありません。

 ごく一部とはいえ、たった33年前のネガを劣化させてしまったというのはショックです。高校生の頃にアーカイバル処理の概念など無かったとは言え、その知識を得た時点で対策を取っておくべきでした。
覆水盆に返らず。ヽ(`Д´)ノウワァァァァン!

 特に劣化を起こしているのは、カビについてはグラシン・ペーパーのネガ袋に入れていたものに、銀化については、ポリエチレンのネガシートに入れていたものに出ている傾向があるように感じます。
 同時に、これらの保存用包材に収められたものは、制作した年代が古く、従って現像定着水洗処理が不完全であった可能性も多いと思います。これらは全てベルト式の現像タンクで処理されたものです。ですから保存用包材だけではなく、化学処理の問題とも相まって劣化を引き起こしたと考えられるでしょう。

 もしこれを読まれている人の中で、昔ながらのグラシン・ペーパーのネガ袋で保存されている人いらっしゃいましたら、今すぐ止めるべきです。無論、写真保存用に作られている無酸性グラシン・ペーパー素材なら別ですが。
 とにかく間違った保存方法は一日でもはやく改めた方が良いというのが、ネガを劣化させてしまった阿呆からの意見です。

 写真の保存についての考え方は参考書も出ていますが、こちらに簡単に書かれたものがあります。
 マーク・ルーサ(米国議会図書館)著・アンドリュー・ロブ改訂・国立国会図書館訳の文章です。
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/pdf/ipi5jpn.pdf

 参考書は
http://www.amazon.co.jp/写真保存の手引き―現像・保管・展示のしかた-ローレンス・E-キーフ/dp/4639012799

LEITZ FOCOMAT V352009/04/15 21:21

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━

 年長の古い友人がフォコマートV35を譲ってくれました。「もう目が辛くなって使えないので…」と仰って頂いたものです。
 私は彼がこれを新品で購入した時からの知り合いでしたから、あれからもう随分と時間が経ったのだなぁと思います。
 彼は生っ粋のライカマンで
「エルマーはライカマンの米の飯」
というのが彼の信条なくらいライカな人です。

 まだやっと梱包を解いた状態ですが、これから架台に据えて使う準備をして行こうかと思っています。
 V35に関しては驚く程情報が少ないですね。もっともフォコマートはIシリーズ以外は情報が少ないです。少し使えるようになったら情報を発信して行きたいと考えています。

FOCOTAR 40mm F2.82009/04/10 21:52

初めて見るフォコター40mm

 LEITZ FOCOTAR 40mm F2.8が手元にやってきました。来週にはこの店子の大家、FOCOMAT V35 がやってきます。マルチグレード・ユニット搭載のもので、旧い年長の友人から譲って頂いたものです。
 V35は35mmフィルム専用機で、35mm専用の引伸機としては一つの究極の形、孤高の存在でしょう。この引伸機を使えるというのはとても大きな喜びです。

 今年は確実に35mmでの撮影は増えるでしょう。やっと今年の写真制作が動き出すというところでしょうか。フィルム現像も再開しましたからね。

「まれびと」レイアウト2008/12/01 13:57

レーザプリンタでざっと出して並べる。
 まだ焼いてないというていたらくです。とにかく家事の負担が大きくてどうにもなりません。腹が立つので何かカメラを買って家計にダメージを与え、制裁を加えてやるつもりです、わっはっはっは。

 それはそうとして、Howの分、プリントするコマを選び、プリンタでざっと出して、レイアウトのシミュレーションをしてみました。まぁこんなものかな?と云う感じです。

 今回は、縦横比が全部違っていて、画面の面積を同じにするのに手間取りました。前回はプリントのサイズもフレームもバラバラでしたので、簡単でしたが、今回はフレームとマットは同じで、画面面積は同じ、しかし縦横比はバラバラと言うことになってしまって、それぞれの辺長の割り出しが手間でした。エクセルに計算させてやりましたが、面倒でした。面積のばらつきはすべて1平方cm内に留めてあります。

 原寸大にプリントアウトして…と、ここまでは近代的なのですが、これを切ってイーゼルの上に置いて、フィルムキャリアにマスクをかけてネガの方をトリミングし、こいつに合わせて投影し倍率を決めるという、実に前近代的というか力業というか…でプリントするという手に出ます。

 プリントもかなり手間がかかりそうです。その割には視覚的効果アップにはあまり寄与もせず、手間だけかかると云うことになりそうなんですが、まぁ、何事も経験です。やってしまいましょう。

本日の失敗2008/11/17 13:41

 よく現像で失敗するのですが、本日もまた失敗。

 2本用タンク2本を1ロットで現像するのですが、エクストール1:1をメスカップ2杯に用意するのに、1杯分だけ希釈して、2杯目は原液のまま。この原液のままをタンクに注いでしまい、あわてて、目の前に希釈用に調製した清水があるにも関らず、水道から水を注いでしまう。当然液温はめちゃくちゃ。あわてて湯を出してタンクにかけ、液温を調節。絶望的な気分でタンクを倒立させながら、頭の中で、適正現像時間を考えました。

 定着が終わってとりあえずそっとのぞき見してみたら、おお!そこそこの濃度で現像できている、上手く行った、よかったぁ…と思いきや、下側のリールに巻かれたフィルムは真っ黒。やっぱりね、そりゃ原液に少しの間浸っていたのですから。

 がっくりとなりつつ、予備水洗→水洗促進浴→水洗へと進みます。水洗の終わったところで、水洗水をすてなきゃならないのに、なにを間違ったかAgガードのボトルに注ぎ込んでしまいました。
 ああもうむちゃくちゃ。まったく集中を欠いた散々なことになってしまいました。踏んだり蹴ったりとはこのことだなぁ、自分のミスだけれど。

 ああ、やれやれ。焼けるかなぁ、この黒いフィルム。

ネガ整理のジレンマ2008/11/14 08:48

 皆さんは撮影され現像済みのネガ・ポジをどのように整理されているのでしょうか?私はとても気になります。

 私の場合2003年以降、やっと決定的とする「型」を見つけ、以来、それに従って整理をしています。

1. 6×6・12EXを基本としてPrintFile社製の8×10サイズのスリーブに収めてバインダに綴じる。各バインダは100シートで綴じる。8×10サイズのスリーブに収めるために、ライカ判は35コマ撮影し5コマ7本にカットする。6×7は9コマ撮影で3本にカット、6×9と4×5と8×10はそのままでOK。これは後述するスキャナでコンタクト(時に印画紙で)を取るため。

2. これらをA4スキャナにかけて450dpiでコンタクトを取る。

3. Excelで各シートでの諸データを記述しコンタクトの画像データとハイパーリンクでつなぐ。備考欄に適当に写っている内容をタグとして書き込む。

4. 棚に収めてはい、出来上り。

 これで、かなりきれいに、また後から探しやすく整理がつきます。
 しかし大きな問題があるんです。それは自分の性格に起因することなのですが、「きれいに整理してしまうと触りたくなくなる」のですなぁ。

 よく、ニュースなどで大学の先生が研究室の本棚の前でインタビューを受けていますよね。その際、背後のの本棚がきれいに片づいているかそうでないかで、普段から本を使っているか否かが大体解ります。きれいに整理されている本棚は使われていないことが多いです。

 こうして保存しておけば、ネガの検索と当該ネガへのアクセスは大変確実で容易なものになっています。ところがそれを利用する事に対して抵抗が生じてしまうのです。このきれいに整理された状態を壊したくない。このままにしておきたい…なんとまぁ因果な性格なのでしょうか。

 加えてもう一つ問題があります。素人役者を短くもない期間やっていたのですが、一度上演してしまった台本の台詞はきれいに忘れています。ところが、上演できなった台本は、未だに覚えています。これって、整理できてしまうと忘れるって事なのではないでしょうか?ですから、整理したネガは常日頃からExcelのシートをながめて何を撮ったか反芻しておかないと「あの写真を焼こう!」と思いたったりしないのですね。

 茶箱に無造作にぶち込んであるネガの方が出番が多いなんて、そんなバカな…と思います。
 せっかく確立した整理方法、なんとか活かすためにも、性格の変容を計らなければなりません。
 なんとまぁ、大袈裟なことでしょうか。

中外・マイフィクサー2008/11/11 22:38

 ちょっと事情があって、12本分だけ、中外のマイフィクサーに変えてフィルムを現像したのですが、どうもヌケが悪いようです。
 定着処理時間を延長しようが水洗促進や水洗時間を延長しようが抜けません。あのT-Maxの赤紫が。
 これはニュータイプのT-MAX400のせいなのかと思いましたが、とりあえず別の定着液でも試してみようと、シルバー・グレインのアルカリ定着液で定着してみましたが、こちらはきれいにヌケ、グレーのネガが出来上がりました。
 マイフィクサーはイルフォードのハイパムフィクサーの代替として登場したのですが、どうも処方は違うようです。
 もっとも緊急避難的に使ったので、またもとのシルバー・グレインのアルカリ定着液に戻しますが、ちょっとした驚きでした。
 T-MAX400ニュータイプをマイフィクサーで定着している方、ヌケの具合はいかがでしょうか?

ビネガー・シンドローム2008/10/30 21:07

 ビネガー・シンドロームというものがあるそうです。今年の写真工業8月号に掲載されているらしいのですが、古いモノクロフィルムが化学変化を起こして、酢酸臭を放ちながら酷いカーリングや加水分解を起こすのだそうです。
 かなり古い時代のコダックのアセテートベースのものがどうもそうなると言うようなのですが、まだ私にはよくわかりません。いくつかのリンクをご紹介しますので、たどって読んでみて下さい。

 私の自家現像したネガも、35年くらい前のものは一部変質しているものがあります。ネガの黒い部分が銀色に変色して、軽く光を反射させるだけで反転してポジ画像に見えやすくなって来ています。もともモノクロフィルムは黒バックの前で光を反射させるとそうなりますが、黒バックにしなくてもそうなりつつあります。当時の大半を占めているネオパンSSSが苦戦してるように思えます。HP5やトライXは割合に強いかも?

 名作ネガは銀塩プリントとデジタルデータにしておく事が必定となってきましたね。皆さんもどうぞご用心下さい。

編集長敬白2005年12月02日
「あなたのネガは大丈夫ですか!?」
http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2005/12/post_144.html

編集長敬白2008年05月31日
「ビネガーシンドローム”警報発令中!」
http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2008/05/post_786.html

フィルムのビネガーシンドローム: "Haniwaのページ"作者のblog
http://haniwa.asablo.jp/blog/2008/10/30/3856620

[PDF] 大切な遺産を守る K .
http://wwwjp.kodak.com/JP/plugins/acrobat/ja/business/products/micro/a-1.pdf

目論みは潰えた。2008/07/28 13:15

 滞留している未現像フィルムを一気に処理してしまおうという目論みで購入したISEのタンクとLPLのリールを今日、満を持して使ってみました。
 のっけから取説に書いてあるタンクの容量間違ってるじゃん?思いっきり現像液が溢れました。なんだよこれ?

 で、その結果なんですがとにかくヌケが悪くムラが酷い。薬液の注水排水も上手にやらなければスムーズにできない。とにもかくにも、これは使うのにだいぶん慣れと技術を要するもののようです。自分の手腕を棚に上げて、お使いの方にはほんとうに失礼な発言なんですが、二度と使う気が起こりません。非常用としても使うかどうか…。こんな事なら最初から使い慣れたマスコタンクにしておけばよかったと後悔しきりです。もっともお値段が三万円くらい違いますが。

 やれやれ、一気に解消しようとしていた未現像はまたそのままです。ちょっとオークションで資金を作って、マスコタンクを買い足すことにします。

水ぬるむ…どころではなく2008/07/24 13:05

 性根がひねくれているからでしょうか、大容量の現像タンクを注文した尻からフィルム現像に張り切り出しました。

 それにしてもここ数日の水道水温の上昇はひどい。今日計測したら28.5℃ありました。
 とりあえずフィルムが曝される温度変化をある程度滑らかにしようと、現像液から定着液まで順に水道水温に近づくように温度調整をとりましたが、まぁ気休めでしょう。

 最後にスポンジで水滴をぬぐう時に「ずるぅり」とエマルジョンが剥がれないかとものすごく心配します。夏場はやはりハーデナーを添加した方が良いのでしょうか。

 もっともイルフォード推奨の置換水洗を適温でやれば何ら問題はないのでしょうけれどね。冬場のように。

 それにしても中学生の頃にDPEを始めてからかれこれ33年になりますが、未だにいろいろと迷い決まった道を歩けないでいます。ま、それだけ柔軟なんだと嘯いて自分で納得しているのですけれどね。