亀村ヨシノブ写真展「serenade」2007/09/24 23:59

正面の大きなプリント
 亀村ヨシノブさんの写真展「serenade」を観に桃谷のギャラリー・グレイスへ行ってきました。
 「入り口の上、見ました?」と言われて外へ戻ってみると、ドアの図上には全倍くらいのプリントが・・・。
 廊内には「亀村調」で統一されたプリントが並びます。
 私も彼と同じところを撮影して作品にした事がありますが、同じところを撮ったとは思えない位の違いがあります。考えてみるとそれはアングルの僅かな違いだったのです。
 彼の作品はアングルを若干上に振ってありそれとも相まって、画面の集積度が高まり非常に密集した、圧倒的な量感をもって迫ってきます。ですから撮影現場に立ったとすると、彼の写真から受けるような密度は恐らくは感じないだろうし、もっとその場を広く感じるだろうと思います。それほど彼は空間を圧縮して表現する力があります。
 私の場合はその逆で、アングルはいつもうつむき加減です。空間の密度は疎になり、広いように見えたその場所は実はとても狭いものだったのだという事になります。
 そんな事を考えながら私は見ていましたが、無論、そんな理屈など抜きにして楽しめる、味わい深い作品群です。非常に力を感じられる写真の数々をお楽しみ下さい。
 会期は9月29日(土)まで、水曜日は休廊です。