メオプタ・ベラー105mmf4.5・引伸レンズ2006/01/03 21:28

メオプタ・ベラー105mmf4.5・引伸レンズ
 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
 やっとやってきたMepta Belar 105mmf4.5 引伸レンズです。取り憑かれている強迫観念・・・撮影したレンズのメーカーが作る引伸レンズでプリント・・・のなせる業ですが、まぁほんの酔狂という事で。これでフレクサレットで撮影したネガをこのレンズでフォーマの印画紙にプリントするという、揃ってなきゃダメのヒノマル全体主義(ボヘミア全体主義?)を実現する事が出来ます。
 もっともフォーマ印画紙の品質が心配なので、あくまでもまぁ遊び感覚で、あわよくば、作品にしてやろうかと目論んでいます。
 このベラー引伸レンズですが、現行ではメオプタ・スチューデントという引伸入門機に付属している50mmf4.5のみではないかと思います。知っている限りでは絞り羽根も4枚の廉価版レンズのようです。標準・高級なグレードのレンズはANARETやMEOGONと云うもののようです。
 このベラー105mmも4枚玉でしょうから、そんなにグレードの高いものではないでしょう。それでもまぁ、ベラーと言う名前に幻惑されて喜んでおく事にしています。

 今年も楽しく写真にうつつを抜かしてゆきたいと考えています。相変わらず亀の呪いのブログですが、宜しくお付き合い下さい。

ミノルタ・CEロッコールX・50mmF2.82006/01/04 09:49

MINOLTA CE ROKKOR-X 50mmF2.8
 遅れてやってきたロッコールの引伸レンズです。先にやってきたCE ROKKOR50mmF2.8と名前が違うだけで同じものだとのことです。
 引伸用のロッコールは後悔日誌にも書きましたが、なかなか素晴らしいものです。モノとしての造りもすばらしく絞りはクリックとノンクリックとの切り替えが絞り環を下に引くだけで簡単にできます。絞り値の照明もされています。光学的性能にしても繊細でトーンが豊富です。ロダゴンやコンポノンに比べても全く互角に張り合っているどころか、造りの良さでは遙かに勝っています。(もっともライカのフォコターは知らないのですけど)
 実用になりそうなものを見つけたら、ひとつ買っておいて損はないレンズだと思います。

阪堺電軌大和川橋梁2006/01/05 07:38

阪堺電軌大和川橋梁。モスクワ4。
 機材の話ばかりが続いたので、撮影の話も。

 よく撮影に出かける場所の一つに、阪堺電軌の大和川橋梁があります。無論橋も好きなのですが、大和川の駅やその周囲の風景が好きなのでした。別に美しいものがあるわけでもないのですが、大阪市内から大和川を渡って堺市に入ると、急に景色が開けて空が広くなります。大阪市内と比べそれはもう本当に見事なコントラストを成しています。北河内で育った私はこの空の広さを見て、泉州に来たのだなぁとつくづく思うのです。
 そんな泉州への第一歩がこの大和川駅です。西陽がまともに当たる頃など、最高の雰囲気です。

 大和川橋梁は明治時代にかけられた古い橋だそうです。阪堺電軌は堺市内の路線を廃止したくて仕方がないようですが、堺市は怒っているそうです。なにしろ堺市はこれから路面電車を新設しようとしているのですから、既存の路線の廃止などとんでもないことでしょう。堺市内は路線の上下分離をして、軌道は堺市が持ってもいいのではないかと思います。いっそ、堺市交通局を作って、上下ともに買い取ってしまっては?堺市は政令指定都市になりました。大都市に路面電車がないというのは画竜点睛を欠きます、いつまでもこのチン電を走らせ続けて欲しいものです。

 写真はモスクワ4での撮影です。ちょうど塗り替えの工事中で数人の兄ちゃんがのんびりと手で塗っていました。

6×9ステレオ写真2006/01/06 07:15

マミヤプレスでステレオ写真
 12月7日のエントリーで書いた6×9ステレオカメラによる撮影です。周囲が若干ケラレていますが、自分としては許容範囲だろうと考えています。
 まだプリントして無いのですが、スキャンしてディスプレイで見る限り、そこそこ楽しめそうです。もっとも、あのプレスを抱えて重たいめをして撮ることと帳尻が合うかどうか、若干の疑問もありますが・・・。
 それにしても、ステレオ写真というのは、なかなか楽しいものです。もっと愛好家人口が増えたらいいのになぁと思います。
 この写真は平行法でご覧ください。ちょっと小さいですが。

ゾディアック-8・30mmF3.52006/01/07 07:47

ゾディアック-8・30mmF3.5でのコビ
 またまたゾディアックで犬ですが、戌年だしまぁいいかということで。
 それにしてもこのレンズは素晴らしいし楽しいです。乱用は俗悪な写真を量産してしまう危険があるでしょうけれど、どんどん使って魚眼での撮影を少しはものにしてみたいと思います。
 ここまでアップにしてみると、こちらを向いていると思っている犬の視線ですが、レンズではなくて撮影者本人を見ているというのが能く解ります。

空堀界隈2006/01/08 07:57

空堀の町屋
 空堀は大好きな街です。好きなお店もあるし、撮りどころは満載だし、写真展もここでやったし。何よりもここは路地の街で信じられないような細い露路が毛細血管のように張り巡らされていて、さながらちょっとした迷宮の様相を呈しています。ここに入れば1コマの写真が出来、一編の詩やエッセイが出来、一本の映画も撮れるし、ミステリーの一つも書けるでしょう。クリエイティブな若い(精神的に若い人も含めて)人達が集まりつつあり、しかも大資本はおろか中小の資本も入っていない、個人の集合体でもあります。ここらあたりが、堀江やアメ村とは違うところで、似たような場所に中崎町があります。うそ臭いコドモだましの街に成り下がった堀江やアメ村は陳腐化する一方でしょうが、ここら当たりは、妙な集団が仕切りつつあるとは云え、その集団にしても結構アバウトに構えているので、まだまだ大丈夫そうです。
 最近はここでの撮影も増えてきていて、浄正橋界隈に続いて自分にとっては撮り続けて行きたい街の一つです。
 いつもいつも引用する織田作之助の言葉をまた。

「・・・華かなネオンの灯が眩しく輝いている表通りよりも、道端の地蔵の前に蝋燭や線香の火が揺れていたり、格子の嵌ったしもた家(や)の二階の蚊帳の上に鈍い裸電燈が点(とも)っているのが見えたり、時計修繕屋の仕事場のスタンドの灯が見えたりする薄暗い裏通りを、好んで歩くのだった」

春節2006/01/09 07:18

ぶた
 さすがにここはモノクロじゃなぁ・・・と怯んでしまう場所の一つが神戸中華街、通称「南京町」です。そりゃもう色の洪水ですが、それが妙にしっくりとなじんでしまい、西洋風の色の洪水よりもずっと心地よいと感じるのは、やはり同じ東洋人だからでしょうか?
 ほんの20数年前までは、カラーも大好きで半分くらいはカラー写真を撮っていました。レンズもカラーできれいに写るレンズを求めて、色んなものを使ってみました。クラシックレンズも使ってみたこともあります。結局、カラーの場合は現代レンズの方がいいと云う結論に達するまでには、それほど時間がかかりませんでした。ですからカラー写真の撮影に出る(今ではほとんどそんな機会は無くなってしまいましたが)時にはAE・AFのカメラを積極的に使います。
 銀塩カラー写真は、モノクロ以上に絶滅の危機を迎えているのではないかと思います。残り少ない時間を愉しむのに、南京町はうってつけの撮影地だと云えるでしょう。
 古いネットの友人covaemonさんと、今年は撮影に出る算段をしています。ところでcovaemonさんはフィルムのカメラ持ってるんでしたっけ?

ゾディアック-8・30mmF3.52006/01/11 07:45

ゾディアックのロゴ
 工業製品の性能には全く関係ないことですが、商品としてはネーミングは非常に大切です。もっとも「商品」という観念があまり無い旧ソ連で作られたこのレンズにゾディアック=十二宮なんてきれいな名前が付いているというのは奇跡に近いような気がします。
 非常に情念的ではあるのですが、レンズの名前としては本当に素晴らしいもので、こんな名前のレンズを使っていると云うだけでもなんかクラクラ来てしまいます。写真には殆ど関係がないのかも知れませんが、作品を作るという行為は観念的・情念的なものですから、そんな感性を刺激していくれると云う事は大いに大切なことだと思うのです。
 カメラの評価などに観念的なものを持ち込むなと云う意見も理解できますし、ある方が仰った「レンズ霊感商法」というのは言い得て妙どころか、真実を突いていると思います。
 しかしそれを解った上で、私などはだまされていることを愉しんでいます。私は職業写真家ではありませんから、自分の行為が自分を満たすものであるかどうかが大切なのです。
 十二宮という名のレンズは、その名前だけでも価値があるように思えます。

次々と撤退2006/01/13 07:26

 それにしても、各メーカーの銀塩からの撤退が激しくなってきています。ニコンもとうとう殆どと言っていい程撤退してしまいましたが、もっともこれとてそう驚くにはあたらず、いずれそうなることは明白でした。
 気になるのは富士とコニカミノルタで、どちらも光学機器も感材も生産しています。さて、どうするのでしょうか?疑心暗鬼になっていますから、早晩撤退するんじゃないかと思います。

 フィルムカメラや交換レンズは手元にもう充分ありますから、今無くなったところで余り困らないというのが現実です。引伸レンズも引伸機もとりあえずあります。銀塩関連の機器であと手に入れたいと思うのはドライマウントプレス(買う買うと言いながら一年以上たっています。反省!)くらいのもので、これはあるうちにどうしても手に入れておかなくてはならないでしょう。でも、高額な機材としてはそれくらいです。

 結局非常に困るのは感材と薬品です。最悪の場合薬品は調合して作ることも出来るでしょう、しかしフィルムと印画紙(一般的な現行品)だけはどうにもなりません。作ることは素人には容易ではありません。
 去年、イルフォードが大幅にラインナップを削り値上げをしました、アグフアは止めてしまいました。先日、コダックが値上げをして富士も間もなく値上げします。状況は非常に厳しいです。また値上げのために負担も増えます。

 もっとも厳しいのはカラーフィルムだろうなと想像できます。現にカラーの光学プリントは絶滅状態で、自家処理にしても手間と費用がかかるからそう簡単に自家処理に切り替える事も出来ないでしょう。今では非常に少数派でしょうが光学的にネガプリントしたい人の気持ちは察するに余りあります。

 つまらない風向きになってきたなぁと思うけど、まぁ腐らずやりつづけるしかありません。デジタルを睥睨しながら。

コニカミノルタ撤退2006/01/19 16:19

 先のエントリーで「コニカミノルタはどうするのか?」なんて書いていたら、あれま、撤退が発表されてしまいました。銀塩カメラもフィルムもデジカメまでも撤退で人員整理。まぁ半分潰れたようなものですね。ニコンがほぼ撤退し外国の感材メーカーなんかもぽろぽろ撤退していましたから。これを機会にと撤退を決めたのでしょう。ちょっと前まで、撤退しないなんて言ってたのにその舌の根も乾かぬうちに宗旨替えとは、ちと情け無い。
 もっともコニカのフィルムは使っていませんし、ミノルタのカメラにしても主力ではありませんし、外野でどうこう言っても仕方がないでしょう。
 とにかくカメラは揃ってるんで、感材と薬品さえなんとかなれば、写真は続けていけます。ともかく富士とコダックにはなんとか作り続けて欲しいですが、それもあんまりあてにはなりませんね。

 富士からも発表がありました。コニカミノルタの発表を受けての事だったのでしょうか?なかなかいい文章です。一部引用します。

>しかし、人間の喜びも悲しみも愛も感動も全てを表現する写真は、人間に
>とって無くてはならないものであり、長年のお客様のご愛顧にお応えする
>ためにも、写真文化を守り育てることが弊社の使命であると考えておりま
>す。その中でも銀塩写真は、その優れた表現力・長期保存性・低廉な価
>格・取扱いの手軽さと現像プリントインフラが整備されている点等でデジタ
>ルに勝る優位さもあり、写真の原点とも言えるものです。

 本気でそう考えているのなら、できるだけの応援はしたいと思いますが。

 ところで、今年の写真月間の会場の一つにコニカミノルタのギャラリが参加していますが、写真事業から撤退し人員整理するのに、この会場、それまで存在し続けるのかな?と思います。もしそれまであったとしても、クジ引きでこの会場にあたったら、すでに撤退した会社のギャラリなんか嫌だなぁと思います。