お水取り ― 2009/03/08 21:06
今年に入ってフィルム現像をしていないのですが、これにはそれなりの理由があります。
関西の写真家はお水取りを撮影する事も多いのですが、このお水取り…東大寺二月堂修二会を撮影した経験のある者は、新年を迎えてからはお水取りが終わるまでの二ヶ月半の間、フィルム現像をしてはいけない…いけないって事もないのですが、フィルム現像をすると、好ましからざる事が起こるという言い伝えがあるのです。
言うまでもなく、フィルムの自家現像やプリント作業には大量の水を使います。決して無駄づかいしている訳ではないのですが、お水取りは水に関る行事、水を大切にしなくてはいけないという戒めからいつしか「お水取りが終わるまでは現像をしてはならない」という言い伝えが出来たそうです。無論、写真現像の事ですから、明治以降の話なのですが。
だからそれに従って私もこの時期までフィルム現像は厳に戒めているのです。
と言うのは今作った真っ赤なウソです。
寒いですからね、冬場には現像する気が全く起こりません。で、啓蟄の頃にちょっと「現像しようかな?」という気を起こさせ、お水取りが終わっていよいよ暖かくなったら本格的に現像をしようという魂胆です。早い話「怠慢」ですな。だって冷たいの嫌じゃないですか?好きでやってる道楽に嫌な作業をするなど、本末転倒です。
「阿呆かお前は」という罵声が飛んできそうですね。はい、でももうすぐその日が来るし、それからフィルム現像を始めたいと思っています。それまではもう、撮影だけ。もっともその撮影さえデジタルカメラばかりになってきていますが。
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