湯本源太写真展「毒男の世界」2008/01/14 17:14

巨大な鱗翔目に気をつけろ!

 目の前に展開する現実やそこに実在する人物を写しながらも何故か希薄な存在感。そこかしこで撮影しながら、まるでサーチエンジンで検索し一纏めにしたような視線・・・対象が同じでも視点がまるで違う・・・。しかし確実にプリントされた作品の現実感。
 作品は様々な境界線上で危うく踏みとどまっている、いつその足下が失われ、暗黒の闇に堕ちて行くのか?輝く光の世界に昇るのか?そのスリリングな快感、そして一通りの作品を観た後に残る奇妙な不安感。
 そうしてふと気付くと、頭上に迫る鱗翔目の巨大なオブジェ・・・。
 ここで感じるこの奇妙な感覚は一体なんなのだろうか?もしかして・・・「俺の目を盗んだな!」