フォーマパン2002005/11/07 07:31

フォーマパン200のプリント映像
 これは先日購入して撮影してみたチェコのモノクロフィルム、FOMAPAN200の未露光部分です。ネガの状態ではなくてプリントしたときのように、反転させてあります。
 中央部をまるで天の川のように白い斑点が走っています。最初、ネガの汚れかと思いましたが、クリーナーでは除去出来ません。カメラ内部にほこりでも溜っていてそれが付着したなら、未露光部分では影が出来ようもありませんので、写るはずがありません。つまりこれは、この斑点が露光されているという事です。なんとひどい品質だと憤りました。
 現像して二日ほど経ってやっと、もしかしたら?という原因を推理しました。これは、フィルムの裏紙の性能不足で、赤窓から裏紙を透過して露光されてしまったのではないか?と言う事です。使ったカメラはフレクサレットIII、オートマットではなく赤窓から裏紙の番号を読んで巻き上げる機構です。しかしそれであるにしては番号が露光されたりしては居ないので、そうだとは言い切れません。裏紙を暗室のゴミ箱から拾い上げて、強い光に透かしてみましたが、まったく異常ありませんでした。推理は見事に間違っていました。やはりこれは品質の不良ではないかと思います。
 ネットを検索すると一件だけヒットしました。おそらく小型映画用モノクロフィルムであろうフォーマパンRを使った人が、「斑点だらけで酷いものだった」という記述を、ブログでしています。ただ、このブログはすでに消去されているようで、グーグルのキャッシュでしか見られませんでした。
 このフィルム、黒い斑点だけではなく、白い斑点もいっぱい出来ています。いずれにせよ、ダメなことはダメなのですが。

兒嶌秀憲写真展「不安定な理(ことわり)」2005/11/13 19:00

写真展会場の兒嶌さん
 兒嶌秀憲写真展「不安定な理(ことわり)」を見てきました。
 多角的な視点で捉えられている街や人を次々に見せる彼の表現は、やはり落ち着きと動きが奇妙に同居しています。そこが非常に彼らしいと思います。
 ひとつ前に二度にわたってまとめられた「いざない」は、彼の愛犬の死という心的外傷体験をからめてまとめられたもので、虚ろな心や死が垣間見える、他とは違った独特の作品であっただけに、次にもってきたこの「不安定な理」は、"そこから完全に抜け出る事は出来ていないものの何時もの自分に戻りつつある"という作品になっています。そこが「奇妙に同居」と私が思う所以です。
 人間、齢を重ねれば、若くたってやはり悩み不安悲しみというネガティブな感情に翻弄される回数も増えるわけです。だから翳りの感じられる作品が出来たり、重い作品が現れたりするものですが、もともと持っている無邪気な心や洒落ッ気を失うわけではありません。ですからこれからまた洒落の感じられる作品も出てくる事でしょう。様々に揺れる気持ちの中から生み出されるこれからの彼の作品が、とても楽しみです。

フォーマパン4002005/11/15 07:35

フレクサレットVIにて撮影。
 フォーマパン200に続き400も試してみました。こちらの方はブツブツも出来ず、無事に撮影が出来ました。
 まだ、プリントしていないので、画質についてはなんとも云えませんが、まあとりたててどうこう言う事も無いかと思います。
 モノとしての品質はやはり大手とは比較にならないと思いました。カーリングはひどいし、プリントにあまり影響はないでしょうけれどベース面の色もニュートラルではないし、使いやすいとは言えません。もしかしてこの先、大手が銀塩から撤退したときに、これらのフィルムを使う事を余儀なくされるかと思うととぞっとします。
 それでもまぁボヘミア揃いを愉しむ分には、こういうことも織り込んで愉しめばよいのでしょう。道楽なのですから無い物ねだりはせずに、そこに用意されたモノでいかに愉しむかって事が、幸福への近道かも知れないなぁと、妙に達観してしまったのでした。なんじゃそれは。吾唯足知、知足すべしということかなぁ。

ロボット・フード2005/11/17 07:35

スクリューマウント・ロボットフード
 私はフード病に間違いありません。以前、ロボットと二本の交換レンズにはフードがなくて、フードがないと不安で使う気が起こらず、なかなかロボットの出番はありませんでした。このたびやっとこさフードを入手しました。俄然、ロボットを使う気が起こってきました。
 購入の際、フードにはSMとBMとがあると記載がありました。これはスクリューマウントレンズと、ロイヤルなどに使うバヨネットマウントレンズ用それぞれのものだと思っていたのですが、そうではなく、フード自身のマウントの事だったのです。私が購入したのはスクリューマウント用です。ちなみにロボットレンズの殆どはフィルター径38mmだそうです。そんな口径のフィルタってなかなか無いですよね。
 このフードは「沈胴」というか・・・よく逆向きにかぶせて運搬の際のスペースを稼ぐフードがありますが、これは取り外さなくても左右のポッチを押すと、筒の部分がカメラボディの方へスライドしてレンズ鏡胴に覆い被さる仕組みになっています。なかなか便利なものです。
 深いフードですが30mmのクセナゴンでもけられません。スクエアフォーマットのだからでしょうね。

エル・ニッコール50mmF42005/11/21 07:44

エル・ニッコール50mmF4
 青春プレイバックのつもりで落札したレンズです。初めて引伸機を買って貰ったときに、同時に購入したレンズだったのです。
 高校生の頃、新設校ゆえにまだ無かった写真部を仲間達と立ち上げ、部費の配分が初めてあったとき、その予算で最初に購入した備品でもありました。
 クラブではそれまで使っていたラッキーの引伸レンズとの差は一目瞭然、目からウロコが落ちたようでした。
 何時の間にか最初に買ったこのレンズはどこかへ無くなってしまい、引伸にも多少のブランクがありました。今では暗室にいろんな引伸レンズがごろごろしている状態ですが、やはりその中にこのレンズが無いのは淋しかったので、オークションで求めたわけです。
 久しぶりに手に取ってみて「こんなに小さかったっけ?」と思いました。本当に小さく愛らしい、でも性能は一流の良いレンズです。
 穴蔵のような昔の実家の暗室で、夢中になって引伸をしていた頃の自分を思い出します。

コダック・シェブロン2005/11/22 07:05

兒嶌秀憲さん
 しばらくぶりにシェブロンで撮影しました。B&Hから620のTMYを買ったので、それを試してみたのです。個人輸入のフィルムということで、心配もありましたが、別に問題はないようです。
 今回の撮影で判った事は、ファインダーのパララックスに気付きにくいので注意しなければならないという事。この写真も頭上の余白がタイトすぎます。つぎにやはりシャッタリリースには注意。2コマほど派手にぶれていました。三つめは割合にシャドウが落ちるかも?というところです。
 総じて古いレンズは夕暮れの撮影が苦手なように思いますが、これもご多聞に漏れず苦手なようです。夕暮れはコーティングの効いた最新のレンズが好いのでしょう。
 あまり枚数を撮っていないのでまだまだわかりませんが、実用として申し分のないカメラだと思います。難点はごろごろして私の大きくない手では持ちにくい事、重い事。620フィルム使用であるということは、スプールさえ手に入れば、モノクロ自家現像の私には苦にはなりません。
 写真は、個展会場プリンツでの写真家・兒嶌秀憲さんです。

モスクワ42005/11/26 19:57

モスクワ4・インダスター23・110mmF4.5で撮影・絞りf11
 モスクワ4を手に入れたので撮影してみました。
 様々なところで評価されているように、よく写ります。無論、現代の6×9カメラのようには行きませんが、モノクロ作品を作るには十分な性能で驚きました。何よりも嬉しいのはこのカメラ、6×6アダプターが付属しており、スクエアの写真が撮れる事です。レンズはインダスター110mmF4.5で、6×6の標準からすると大分長目ですが、意外にこの辺りの焦点距離は使いやすいものですし、また、よく写るレンズも多いものです。ハッセルブラッド用プラナー100mmしかり、ブロニカ用ゼンザノン100mmしかり、また評価は別れるもののマミヤCの105mmもしかりです。
 古いスーパーイコンタのデッドコピーですから、使いやすいとは言えないカメラですが、スプリングカメラの美徳である「薄く折りたためる」のには、抗いがたい魅力があります。加えてよく写るししかも6×6にもなるとなえば、これはもう持ち出す回数は増えるに違いないでしょう。
 楽しいカメラを手に入れたなぁと思います。

モスクワ42005/11/27 00:01

もすかうフォー!
 モスクワ4を折りたたんだ状態です。ご覧の通りぺったんこ。とにかく薄いという事は非常に携帯しやすいという事です。いかにもと見えるカメラバッグを使う必要もありません。ちょっとしたバッグに滑り込ませる事が出来ます。
 ハッセルブラッドやローライフレックスはごろごろするものの、全体の形は箱形でまだ携帯しやすい部類ですが、最近手に入れたシェブロンに至ってはでかい三角おにぎりを持っているようなもので、ごろごろの度合いがひどくて、肩からぶら下げているのが最も携帯しやすいってなものです。
 だんだんと怠惰になってきてたものですから、最近は携帯しやすいスプリングカメラの出番が増えてきています。しかも、重いイコンタを敬遠して軽いペルケオIIを使う事も多くなってきています。

モスクワ42005/11/28 07:53

阪堺電車住吉公園駅
 モスクワ4での写真です。こちらは6×6マスクを装着して撮影したものです。この小さい写真では判りにくいかも知れませんが、傷だらけです。
 返品しようかとも思いましたが、なんかこのまま返品するのも妙に口惜しいので、自分の手で実用になるまで調整してやろうと思っています。そうこうしているうちに、本家のイコンタが欲しくなったりして・・・。
 装着されているインダスター23・110/4.5はなかなか侮れないレンズのようです。

富士・レンブラントV・G22005/11/30 07:44

販売店から拝借
 実におよそ30年ぶりにバライタで全紙に伸ばしました。RCではそれまでにも何度か伸ばしたことはあったのですが、バライタはほんとうに久しぶりでした。
 引伸作業はどうなることかと思いましたが、以前と比べて引伸機が大型化しているので、背面投影などと云うことも必要なく(『背面投影』という言葉自体死語かも)バットも作業机の上に二つ乗せられるし、非常に楽でした。
 レンブラントという印画紙は思いの外使いやすいもので、折れ曲がりに強くラチチュードも高く乾燥時の平面性も良いものでした。懸念されるドライダウンは、アグフアより多くイルフォードよりは少ないと言ったところです。トーンはフィルムと同じくあっさりしたもののように思いました。今回は強いコントラストの'70年代風写真にしたのですが、こういう画づくりにはよく合うように思います。アグフアが無くなってしまって、この上国産の印画紙が無くなってしまっては大変なので、富士の印画紙も積極的に使って行かなくてはいけないかと思います。富士にしても市場をもっと詳しく調査して、モノクロ愛好者がどんな印画紙を望んでいるのかよく知るべきでしょう。そうすればもっと売れる印画紙が出来ると思うのですが。