Soundsticks II2007/12/07 09:07

クラゲ。電器店の広告から拝借です。

 暗室に音楽は欠かすことの出来ないものです。昔は家の回りも今よりずっと田舎で、人工音など本数の少ない電車の音が時々響いてくるだけ、しかも地上を走っていましたので音も小さく聞こえたものです。ですから暗室作業も静寂か自然の音の中で集中して出来たものです。
 今は家の回りにも人間が増え電車も高架になり玄関先の道も車道になってしまい騒がしくてたまりません。だから締め切って厚いカーテンをかけ、音楽を鳴らさなければ気が散って暗室作業は出来ません。

 20数年前までは自宅の暗室には20cmを二発+削りだしのトゥイータを搭載した自作のどでかいバックロードホーンを鳴らしていました。流石にこれは音が良かった。でも、離れは壊すことになり今の自宅になって暗室が階段下納戸に追いやられると、音楽は小さなラジオで聞かざるを得なくなり、実家が空き家になって広い暗室に移っても、すでにオーディオは処分しちゃってありません。仕方無くパソコン用アンプ付きスピーカにiPodつないで聞いていました。その後、哀れに思った親切な友人がアンプを恵んでくれ8cmフルレンジにつないで聞いていましたが、これもスピーカがしょぼすぎて音が悪い。しかもスピーカの見かけも悪い。
 そこで、音質はボロクソに言われているモノの、表題のシステムを二年以上悩んだ末に買ってしまいました。クラゲ。確かに音はちゃっちいですが、それでもデザインがよいので、結構満足しています。

 暗室は作業室になっちゃっては嫌です。アトリエ・・・とは言いませんが、作品を生み出す場所ならば、やはり官能的な空間であって欲しいと思うのです。乾燥し固化し色褪せてゆく感性を、すこしでも刺激してくれるもので埋めて行きたい。
 こんなスピーカシステムひとつでどうなるものでもないし、トータルコーディネイト出来ているわけでもない、でもまぁ、無骨な引伸機の並ぶ空間に、こう云うモノがあると、ちょっとばかりほっとします。
 写真には直接何の役にも立たないものですが、そういうものをちょっとずつ置いては、そこにいて楽しく情動を刺激してくれる空間を作って行きたいと企んでいます