寄り道2005/09/02 07:27

 生来ものごとに集中できない性分で、「脇目もふらず」にと云う事が全くできません。だから子供の頃は大人に叱られてばかりで生きてる事がたのしくありませんでした。
 いつしかそれが生まれつきのもであると居直りを決め込んだときに、脇目もふらないストイックであることを憎むようになっていました。きっかけは身近にいたある詩人で郷土史家でもあった人が「執筆の時には弁当を持って書斎へ入る」と言った事です。その時は心底ぞっとしましたし、以来、ストイックである事を憎むようになったと思います。
 確かに暗室に一晩こもるなんて事もありますが、それでも一服を繰り返しやたらお茶を飲み、居眠りをしと半分の時間はプリント以外の事に耗[つい]やしています。それでもできるときはできるものですし、できないときはとっとと寝てしまえばいいと思っています。

 兒嶌秀憲さんのブログに
 「去年はまだそこそこ臨時?収入があったのであの大写真家*が地上にさよならをした月に大義名分でこのカメラを黒く塗ってしまいました。その¥があれば大量のフィルムに印画紙が買えましたがやってしまいました」
 と書かれていたが、そういう寄り道は大好きです。

 目的に向かってストイックにまっしぐらに邁[ゆ]く事は効率も良く、質の高い成功をもたらす事でしょう。最小の力で最大の効果を上げる事ができるでしょう。また力のない者が余計な事をしていては、いつまでも目的を達成できないでしょう、わかってます。でも自分はそんなのまっぴらごめんです。自分は目的を達成することに、またその過程にぜんぜん面白味を感じないからです。余計な事のほうがずっと面白いと思います。

 かくして寄り道せずにはいられない人間のまま生きながらえているのです。人生のすべては「どうせ死ぬ」という目的のなかでの寄り道でいいと思います。


*去年没くなった、アンリ・カルティエ・ブレッソンの事。

オブティコテクナ(メオプタ)ミラール80mmf4.52005/09/03 07:13

天六ユウラク座看板
 ミラールでの写真を追加。どのカメラでもこういう平面はきれいに写るものでしょうけれど、実物はなかなかシャープに写っています。
 変な人の多い大阪の街ですが、さすがにこの看板を、しかも妙ちきりんな二眼レフで撮影していると、胡乱な目で見られますね。でも、看板って好きなんだなぁ・・・。

コダック・シェブロン2005/09/05 07:31

 コダック・シェブロンのファインダーを掃除しました。
 トップカバーを外すのはフィルム室内のネジ2本(それも、普通のドライバーでOK)とフィルムカウンターのネジ1本外すだけであっけなく外れます。
 トップカバーを外してファインダの光路をチェックするとどれもが薄汚れ、曇っていましたので、クリーナーで清拭しました。もっともひどかったのはファインダーアイピースのレンズとカバーガラスで、これを掃除すると劇的にファインダー視野がクリアになりました。距離計も上下の分離がはっきりして、大変合わせやすくなりました。薄暗い室内でも大丈夫です。
 
 ファインダー視野をデジカメで撮影してみました。シグネットと同じく、倍率は非常に低くて0.3倍程度です。ファインダの窓は上下に分かれていて、下のより小さな窓が距離計です。覗くと上下分離の像が見え、これが合致すれば合焦です。ファインダー右に写っているのは暖房用のオイルヒータでその左端とフィンの部分を距離計が捉えています。距離計の倍率は結構高いようです。6×6の視野でこんなのですから、828フィルムを使う時にマスクをかけるとなんだこれはと云うくらいに小さくなってしまいます。ファインダーは残念ながら使い易いものではありません。

 次回は付属していた828アダプターや革ケースをご紹介するつもりです。

夕惑い2005/09/06 07:23

「夕惑い」ウェブサイトの写真
 写真展案内のサイトを作りました。このブログからはとりあえずリンクを張っておきます。ウェブサイトのトップには一ヶ月前くらいになったらリンクするつもりです。
 なかなか準備の進まない写真展ですが、こればかりは少しずつ少しずつ進めて行くしか有りません、自分の一番苦手な作業なのですが。
 案内のサイトはいまいちあか抜けないものですが、ご容赦を。

フジ・ネオパン400プレスト2005/09/12 07:35

関空二期空港島のツェッペリンNT
 今年に入ってから、銀塩フィルムの危機を大いに感じたので、コダックだけに片寄っていたフィルムや印画紙をフジのものでも試してみていたのですが、そろそろ結論が出つつあります。
 乱暴に言い切ってしまえば、自分には上手く使えない、合わない。というところです。
 どうしてもシャドウ部分の落ち込みが激しいように思えてなりません。感度を落としてみたり現像時間を少々延長してみたりして、シャドウを拾い上げようとしましたが、バランスも崩れてしまい、うまくまとまりませんでした。
 引き続き執拗く試して行くつもりです。フィルムの特性が自分に合わない以外は、いろいろと使いやすいように工夫されていますしね。実際に撮影する際には使いやすいですし。薬品も人体や環境にちょっとは安全なものを出してもいますし。フィルムの特性をTMYみたいにしてくれませんかねぇ、フジフィルムは。

 こんな写真なら何にも不満は無いんですが・・・やっぱり使いこなしの問題でしょうかねぇ。

ツァイスイコン・テナックスII・ゾナー40mm F22005/09/15 07:04

阪堺電気軌道上町線帝塚山三丁目付近
 こんな写真では作例にも何もなったものではありませんが、一応、テナックスIIで撮影したという事で・・・。
 用足しのために阪堺電車に乗ったら突然の嵐に遭いました。天気が悪いとき撮影しにくい時ほど、良い写真のチャンスです。電車のうしろに張り付き、ライトを点けて後に追いてくる自動車を撮っていました。
 テナックスはハーフ判に近い小さなフォーマットですので、やはりもっと微粒子のフィルムを使った方がいいみたいです。

大和郡山台所町2005/09/17 07:40

大和郡山台所町。SuperIkonta532/16・Tessar80/2.8・TMY
 大和郡山は思いの外撮影できました。と言っても用足しの僅かな時間に二本というところですが。
 帰りに駅で切符を買い、発車までにもう少し時間があったので、駅周辺をうろうろしてみますと、なかなかの優良物件を発見。ちょいちょいと数枚撮影しました。井戸やコンクリートのゴミ箱がありましたが、もう使われていないようでした。
 スーパーイコンタ532/16で撮りましたが、ノンコーティングでフードも無しと云う事になると、天空光の影響は免れません。さすがにテッサーでも少し苦しくなります。けど、古くさい感じが出て悪くないものだと、強がっておきます。このイコンタは距離計が狂っていましたが、わりあい簡単に修理できました。自分で直したカメラは愛着もひとしおです。
 大和郡山は大阪からも近く、適度に撮影できる風景もあり、良いところだと思います。ほんの短い時間の散策にいかがでしょう。

ヘルツ・フォトスタンド2005/09/20 07:05

ヘルツ特注の写真立て
 革の写真立て、ヘルツ製。中身の写真は撮影のための見本です。
 写真をつねに携帯しようと作りましたが、子供の写真なんざ気恥ずかしくて入れてられません。結果、犬の写真を入れる事になってしまいました。しかしやはり携帯しなくなり、今は引き出しの中に鎮座しています。
 独りで遠くへ行くときには持っていこうと思っています。

コダック・シェブロン828フィルムアダプタ2005/09/21 07:27

828フィルムアダプター
 これがシェブロンに付属していた828フィルムアダプターです。
 828フィルムについては良く知らなかったのですが、調べてみるとこれは同じコダックのバンタムというカメラのフォーマットで、28mm×40mmというライカ判よりも少し大きな画面のようです。フィルムの巾はほぼライカ判と同じで、パーフォレーションのない裏紙付フィルムだったようです。
 828フィルムは現在でもレモン社で販売されています。しかしシェブロンにこのアダプタをつけて、828フィルムで撮影するというのは相当に酔狂な事でしょう。828しか使えないならともかく、本来でも面倒な620なのですから。自分自身は使う事は無いと思います。
 このアダプター、アパーチャのところに切り欠きがついています。これはなかなか格好が良いです。

海南市船尾2005/09/22 07:38

海南市船尾。スーパーイコンタ533/16。
 和歌山県の海南市に黒江地区という、歴史的な町並みを保存した地区があります。しかしまだ意外に小粒で今ひとつと言うところでした。
 がっかりして付近をさまよい歩くうちに、船尾口(ふのおぐち)という地区に迷い込みました。が、ここが素晴らしいの何の。地区全体が旧び、商店や風呂屋も閉じてしまい、住民はお年寄りばかりになって、町並み自体はなんとか保存・・・というか、そのまんま朽ちて行きつつある感じでした。
 この一体がそのまま保存され、若い人がカフェやら小あきないでも興し、風呂屋なども再開したら、昭和のテーマ・パークみたいになるでしょう。もしこれが大阪市内にあったら、中崎町よりももっとまとまりのある、旧い街として再びにぎわうだろうになぁと思いました。
 こちらはコーティングされたテッサー80mmF2.8を擁するスーパーイコンタ533/16で撮影しました。